水平社宣言101年

2023年3月4日 12時00分

2023年3月3日(金)

1922年3月3日、全国水平社の創立大会で、「水平社宣言」が読み上げられてから101年です。「人の世に熱あれ、人間に光あれ。」宣言の朗読がしめくくられると、会場の岡崎公会堂は、拍手と喝采で包まれました。

その後、差別や偏見は解消に向かってきました。しかし今もなお、不合理な差別の根絶には至っていません。性や国籍を巡る差別が起き、また、インターネットでは差別を助長する書き込みがあります。正しい歴史的経過を学べば、差別の不当性は分かりますが、その誤った情報を鵜呑みにして信じ、いつの間にか差別をする側に立ってしまっています。水平社宣言が理想とした社会が、現代に実現したとは言いがたいのです。

土居中学校で学んだ生徒たちは、水平社宣言の精神を受け継いだ者としての誇りと重みを感じています。人権・同和問題に立ち向かう原点となり、日本初とされる人権宣言である水平社宣言の意義を今後も学び続けます。差別をなくす同じ思いを持った仲間とともに、自らの立ち位置を見定め、自らの中にある差別心と向き合います。差別を許すことなく、差別を無くす生き方を貫いていきます。

本校では、人権尊重の精神を基盤として、誰一人取り残さない教育(共生・共学・共働)を展開します。また、多様な生き方を認める合うことの大切さについて学び合っています。差別される側には、自身の存在の価値を肯定するように説き、差別する側には、人間の存在が絶対だと理解させることを目指したのが、水平社であったと学びました。水平社宣言は、多様な生き方を認め合い、生き合うという「土居中魂」の源なのです。