決して断たれることのない強い絆づくり
2022年12月11日 16時00分土居中魂の日
「人の世に熱あれ、人間に光あれ」
1922年、我が国初の人権宣言と言われる「全国水平社創立宣言」は、人間の尊厳、自由・平等の理念に基づき、全ての人々の差別からの解放と平等の実現を訴えています。厳しい差別や抑圧に屈せず、団結して闘い、社会を変革してきた先人たちの姿は、私たちに勇気や希望を与え、人間としての生き方を示唆してくれています。
「人権三法」を知っていますか?
2016年(平成28年)「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」・「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みの推進に関する法律」・「部落差別の解消の推進に関する法律」の人権三法が配布・施行されました。立法の背景には、私たちの住む社会に現存する人権問題があります。また、令和3年度に実施された四国中央市の「人権についての市民意識調査」では、人権・同和教育の成果の反面、差別の現実が明らかになっています。「全国水平社創立宣言」から一世紀経った今も、差別の解消には至っていない現実が悔しくてたまりません。
差別が残る社会の中で
人権問題に無関心や無知でいることは、このような差別社会を支えていることを自覚しなければいけません。情報化の進展により複雑多様化する人権問題について、「そっとしておけば差別はなくなる」といった「寝た子を起こすな」的な意識は、被差別の痛みを無視する傍観者となり、容易に差別に加担していくことになります。人権問題は、「差別をする側」の問題であり、自分には関係がないといった無関心であることも含まれます。
今日への思い
今回は、このような現実を踏まえ、授業や人権劇の中で、人権の歴史や身元調査、結婚差別など、同和問題(部落差別問題)を中心に学習する生徒の姿を見ていただきました。学習により正しい知識や科学的な認識を深め、家族や地域の方々に発信する生徒の思いを共感していただけたものと思います。参観された保護者や地域の方々、生徒や教職員、全ての人たちが人権問題の当事者として、差別をなくしていく生き方をともに考える日にしたいと思います。私たちの住む社会に、子どもたちの明るい未来に、同和問題をはじめとするあらゆる差別を決して残したくはありません。差別が、人と人との関係を絶つものであるならば、決して断たれることのない強い絆を私たちで作り上げましょう。今日は、その一歩となりました。