第61回 卒業証書授与式
2021年3月17日 17時19分卒業生が登校するのを3年生の教室は静かに待っていました。
「第61回 卒業証書授与式」
担任の先生から一人ずつ名前を呼ばれ、しっかりと返事をし、各学級の代表者が「卒業証書」を授与されました。
校長式辞
式 辞
世の中や日常の風景、私たちの生活様式が大きく変わりました。しかし、確実に時は流れ、季節は巡り、今まさに、全身全霊をかけて枝先の花を咲かそうとしている桜の木々は、今日旅立っていく卒業生と重なって見えます。第61回土居中学校卒業証書授与式にあたり、ご臨席くださいましたご来賓、保護者の皆様には、心から感謝申し上げます。
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。3年前、希望に胸膨らませ入学してきたときの皆さんは、今の社会状況や今日のような卒業式を誰も予想しなかったことでしょう。特に、義務教育最後であるこの1年間は、目標としていた県総体やコンクールが中止され、楽しみだった体育祭や文化祭などの学校行事も縮小され、日常生活にもたくさんの制約を余儀なくされました。しかし、皆さんは、不平や不満を口にすることなく、限られた時間や空間の中で工夫をし、仲間と力を合わせ笑顔いっぱいに躍動していました。その充実感は、先日の前生徒会長中川君の言葉に象徴されています。「温かい仲間のいる土居中学校を誇りに思う」と。私は、そう感じることができる卒業生にこそ誇りを感じています。
さて、昨年の4月に、私から皆さんに宿題をひとつ出しました。覚えていますか?それは、「土居中魂」を身に付けてくださいと言うことです。宿題は仕上がりましたか?
私には、尊敬する叔父と叔母がいます。二人は、誰もが幸せに暮らせる社会づくりをめざし、人権問題解決のために生涯を捧げています。今から41年前の1980年3月、旧土居町が、県下に先がけて人権宣言を行いました。「人間の命は地球よりも重い」、「差別と闘うことなくして人権尊重の確立も人権を守る道もない」と、叔父が自らの思いを込めて宣言文を起草していく中で、叔母がどうしても入れてほしいと懇願した言葉がありました。それが『人間愛』、人を愛すると言う言葉です。「人間愛に満ちた信頼と友情の絆を我が町の基盤としよう」という宣言文は、コロナ禍を生きる今の私たちにも投げ掛けられています。そして二人は、厳しい差別に会っても、決して屈することなく自分たちの信念や正義を貫きました。怒りや悲しみを知ったことで、他者の傷みや悲しみに敏感になり、それが人として生きていく上で大切な価値だと信じたのです。人を愛する優しさと人権侵害を許さない強さをもった、人間愛に満ちた二人のような生き方をしていく、それが、私の「生き方宣言」です。
宿題の答えは、皆さんが、3年間の学びを集約した「生き方宣言」です。「生き方宣言」の決意こそ「土居中魂」です。私たちは、当たり前だと思っていた日常の有り難さに気づき、画面越しや表情が見えない言葉の交換ではなく、人と人が対面して言葉を交わしふれあいながら、温かいつながりや絆を作っていくことの大切さを実感しました。また、人の弱さや醜さが表出した出来事の反面、シトラスリボン運動があり、地域や保護者から善意の寄付や応援メッセージが届けられました。記憶に残る愛情いっぱいの給食が提供されました。送る会では在校生の卒業生への尊敬や感謝の言葉がありました。そして、あなたの居場所には必ず支えてくれる先生や家族がそばにいました。コロナ禍の1年は、人間愛にあふれる1年でもありました。これからも社会は急激に変化していきます。私たちもその変化に対応できる力が必要です。同時に、決してぶれない不変の力も必要です。それが、人間愛であり、君たちが育んできた「土居中魂」です。「土居中魂」を持って未来を生き抜いてください。
そして、私から最後の宿題です。幸せになってください。私は、土居中学校が、土居中生が大好きです。愛する土居中学校の卒業生みんなが、幸せになってください。この宿題を、生涯通して仕上げてください。
最後になりますが、保護者の皆様、改めて、お子さまのご卒業、おめでとうございます。この3年間の土居中教育へのご理解とご協力に心から感謝申し上げ、式辞といたします。
令和3年3月17日
四国中央市立土居中学校長 近藤 寛
卒業記念品授与
卒業記念品目録贈呈
在校生代表送辞
卒業生代表答辞
唱歌「仰げば尊し」
卒業生合唱「旅立ちの日に」
各学級で担任の先生、保護者、先生方、に対して感謝の気持ちを伝えて、退場していきました。
各学級で最後の学活です。
みんないい表情で土居中学校を巣立っていくことができました。
さあ、それぞれの道で、輝かそう
「土居中魂」!