「少年の日」記念行事

2021年2月4日 13時20分

本日、2年生は「少年の日」記念行事を行いました。14歳という節目の年齢を意識し、自分の将来を自分で切り開いていこうとする態度を育てることを目標に実施されました。
午前中は、体育館で十分なフィジカルディスタンスをとり、決意発表や記念講演がありました。

司会進行や開会の言葉、講師の方へのお礼等々、生徒による午前中の行事運営ができました。全体の様子を見ながらの丁寧な司会進行、力強い開会のことば、講師の方がみんなに伝えたかったことを的確にまとめたお礼のことば、これから3年生になり、学校を背負っていく自覚が伝わってくる素晴らしい代表者の姿でした。

少年の日の決意作文発表
 3名の決意発表がありました。自分を支えてくれる家族に感謝し、甘えた自分を変えたいという決意発表。自分の興味や父親の姿から明確な将来の夢を持ち、決してあきらめることなく努力し実現したいという決意発表。3人とも、強い決意や信念が感じられ、大変感動しました。


校長先生のことば

「人間性の原理と人類最高の完成」
 2年生の皆さん、「少年の日」おめでとうございます。保護者の皆様、本日はお忙しい中、ご出席いただき、ありがとうございます。
 私の中学時代から40年余り、生活は大きく変化しました。科学や技術の進歩は目覚ましく、グローバル化、情報化の現代社会です。物はとても豊かで、生活はとても便利になりました。でも、心はどうでしょうか?豊かになりましたか? SNSによる誹謗中傷や差別、個人情報の暴露や拡散は、時に命まで奪ってしまいます。命を軽視するような虐待や犯罪の増加、国際的なテロや紛争、戦争など、決して心が豊かになったとは言えない悲しい、寂しい現実があります。だから、悔しいことに、コロナ差別も起きてしまいました。このような社会と時代を、私たちはどう生き抜けばいいのか、14歳のみんなには、今、「生き方の土台」をしっかりと築いてほしいのです。

 今から、99年前、平和で平等な社会を作るため立ち上がり行動した人たちがいます。
「全国の仲間たちよ、団結せよ! 長い間いじめられてきた兄弟よ、過去半世紀間に種々なる方法と、多くの人々とによってなされたわれ等のための運動が、何らのありがたい効果をもたらさなかった事実は、それらの全てが、我々によって、また他の人々によって常に人間を冒涜されていた罰であったのだ。そして、これらの人間をいたわるかのごとき運動は、かえって多くの兄弟を堕落させたことを思えば、この際われらのうちより、人間を尊敬することによって自ら解放せんとする者の集団運動を起こせるは、むしろ必然である。・・・人の世に熱あれ、人間に光あれ」と結んだこの文章、原文ではなく、省略もしましたが、覚えていますか?
 2年生の皆さんが学習した『全国水平社創立宣言』です。1922年、ラインやメール、SNSなどの連絡手段がない、車や電車など交通手段が発達していない時代に、全国から何千人もの人たちが京都に集結しました。差別を許さない思い、団結力、行動力に感動しました。宣言文の中で、私は自分の経験と重ね、心を動かされたところがたくさんあります。ひとつは、差別をなくすためにはお互いを認め尊敬し合うことだと訴えたことです。いじめや差別の反対の行為は、「尊敬すること」です。もうひとつは、差別される痛みを知っているからこそ人を差別・排除せず、命を大切にしてきた、これが人としての誇りうる生き方だというところです。99年前、人々は、お互いに尊敬しあうことを「人間性の原理」、水平で平等な社会を「人類最高の完成」と呼び、『われらは人間性の原理に覚醒し、人類最高の完成に向かって突進す』と表現し、「水平社宣言文」を謳いあげたのです。
 令和の新時代は、新型コロナウイルスに苦しめられ、人と人がお互いに傷つけあるような悲しい出来事が各地で起きています。今ほど、人権の大切さが叫ばれる時代はありません。人の痛みが分かる心を持ち、人を大切にする生き方を確立させなければなりません。今こそ私たち人類は、『人間性の原理に覚醒し、人類最高の完成に向かって突進す』る時です。14歳の皆さん、今年度学習してきた「水平社創立宣言」の精神を、これからの生き方の土台にしてくれることを願います。

 
校長先生からは、式典のあいさつというより、ステージからフロアに降りたり、生徒たちに呼び掛けてみたりと、校長先生の熱い思いを伝えていただく時間になりました。

「記念講演」 
『今を生きるあなたのチカラ』
  講師:高見佐智恵さん 
  メディスンスクールトレーナー
     ・誕生学アドバイザー
〇自分の中にあるチカラを引き出していくのは自分自身!
〇何事も諦めず、自分のチカラを信じて、行動する!
とてもパワフルで、元気をもらい、背中を押してくれる内容でした。

「働く人に学ぶ講座」
 午後の働く人に学ぶ講座では、真剣に耳を傾ける生徒の姿が見られ、職業観や勤労観、将来の夢について考えを深めるキャリア学習になりました。講師として来ていただいた方々からも、「聞く態度が良かった」「随分落ち着いた」などたくさんほめていただきました。
【美容師】

【自衛隊】

【建築】

【警察官】

【パティシエ】

「少年の日」は。中学2年生に、最上級生や将来の進路についての自覚を促し、大きな成長につなげる意義や価値のある日です。今日の2年生の姿を見ていると、新たな自覚や立志、飛躍につながる、心に残る「少年の日」になったと感じることができました。

今日の給食」

記念行事と働く人に学ぶ講座の間には、給食でも少年の日をお祝いしました。生徒たちは、たくさんの笑顔を見せながら、おいしくいただきました。

<今日の給食>・・・赤飯、牛乳、若鶏のからあげ、甘酢和え、紅白はんぺん汁、紅白大福