令和7年度 修了式
🔴修了式式辞
あれから、1年、あなたたちの学年も終わりを迎えようとしています。
みんな、成長、しましたね。
つい先日の卒業式では、一言も発することのできないあの時間の中で、
やる時は、やる。決めるときは決める。
誰のために?自分と仲間のためにです。
卒業生には決して忘れられない時間となったことでしょう。
あの空気は、間違いなく、あなたが創ってくれました。ほんとうにありがとう。
この空気で、生きていけば、学力はみんなでついていきます。
なぜか?授業中に全員が集中できるから。
同じく、部活動では技術を伸ばし、強く、より良くなれます。だれもその空気を乱すことなく、集中できるから。けじめがある、めりはりがあるとも言いますね。
凛とした姿勢を、凛とした空気を大事にしてくださいね。
もうひとつ、「言葉の持つ力」です。今日はそのことについて、少しお話をします。
昔の日本人は、言葉には不思議な魂が宿っていると信じ、それを「言霊(ことだま)」と呼びました。また、言葉のことを「言の葉(ことのは)」とも表現しました。心という見えない根っこから、思いが栄養となって育ち、外に向かってパッと開いた葉っぱ。それが「言葉」だという、とても美しい考え方です。
皆さんがこの1年間で友だちと掛け合った言葉は、どんな「言の葉」だったでしょうか。人権・同和教育の中で気づき、よき言葉へと変容した人は多いことでしょう。土居中学校ですから。気付けば人は変われますね。
この「言霊」の力を、身をもって証明し続けた日本を代表するアスリートがいます。元メジャーリーガーのイチロー選手です。
数々の大記録を打ち立てたイチロー選手ですが、彼は現役時代、「疲れた」や「無理だ」といったマイナスな言葉を極力口にしないようにしていたと言われています。なぜだか分かりますか。
自分が発した言葉を、一番近くで聞いているのは「自分の耳」だからです。ネガティブな言葉を口にすると、脳がそれを聞き、本当に体まで「疲れた」「無理だ」と思い込んでしまう。彼は、自分の使う言葉が自分自身の心と体を創ることを、誰よりもよく知っていたのです。
翻って、現代を生きる皆さんの日常はどうでしょうか。スマホを開けば、SNSやインターネットに無数の言葉があふれています。LINEなどの短いメッセージはとても便利ですが、顔が見えない分、ふとした瞬間に鋭い刃物となって友だちを傷つけることもあります。逆に、夜中に悩んでいる時の「大丈夫?」という短い一言が、心を守るお守りになることもあります。
さらに皆さんは今、AI(人工知能)という新しい技術と共に生きる時代を迎えています。校長先生もAIを使ってみて、ハッと気づかされたことがあります。
ものすごく賢いAIですが、それを動かしているのも、私たち人間の「言葉」です。AIへの指示を「プロンプト」と言いますが、雑で乱暴な言葉で命令をすると、AIからはどこか冷たくて、ちぐはぐな答えが返ってきます。反対に、「こういうことを知りたいんだ」と丁寧で具体的な言葉で問いかけると、驚くほど親身で素晴らしいアイデアを返してくれます。
最先端のテクノロジーであるAIでさえ、私たちが投げかける「言葉」をそのまま映し出す鏡なのです。
SNSの短いスタンプも、AIに打ち込むプロンプトも、そしてイチロー選手のように自分自身に掛ける声も。すべては、皆さんの心から生え出た「言の葉」です。
「どうせ無理」と言えば、自分の脳もAIもそこで思考を止めてしまいます。「どうやったらできるか」と言葉を変えれば、脳もAIも、そして周りの仲間も、新しい答えを導き出してくれます。
明日から春休みに入ります。そして4月からは、皆さんは先輩になります。
どうか、自分の中にある心の根っこを大切に育て、周りの人を笑顔にし、自分自身を勇気づける、力強い「言の葉」を使える人になってください。皆さんの発する一つ一つの言葉が、皆さんの新しい学年を、そしてこれからの未来を創っていくのだと、私は信じています。
この春ゆっくり、でも大切に過ごして元気にまたこの土居中学校で新しい一歩を始めましょう。そして、先輩として大いにこの土居中学校を創っていってくれることを願っています。
今年度はたくさんの感動や思い出をありがとう。